お彼岸はお墓参りの時期として知られていますが、実際にマナーを気にする人は意外に少ないかもしれません。
大切なのは、お彼岸のマナーがなぜあるのか、背景を理解することです。
今回紹介したマナーを参考にして、お彼岸を大切に過ごしてみてください。
秋のお彼岸とは
ここでは秋分の日でもある「お彼岸」とは何かを解説していきたいと思います。
お彼岸にお墓参りする理由
秋分の日は、太陽が真東からのぼって、真西に沈む日。
お彼岸は、彼岸(あの世)と此岸(こちらの世)が最も交わる時期とされていて、秋分の日に先祖供養を行うことで、亡くなった人々が極楽浄土に近づくと信じられています。
秋分の日に感謝の気持ちを込めてお参りすることで、大切な人々の魂が平穏な道をたどり、幸せな場所へ導かれるとされています。
秋のお彼岸の日程は?
秋のお彼岸は、「秋分の日」を中日として、その前後3日ずつ、計7日間あります。
2023年の秋分の日は9月23日(土・祝)のため、2023年の秋のお彼岸は9月20日(水)から9月26日(火)までの7日間です。
・9月20日(水): 彼岸入り
・9月23日(土・祝): 中日(秋分の日)
・9月26日(火): 彼岸明け
どの時間帯に行くべき?
時間帯に特定の決まりはありませんが、ご先祖様のお参りを後回しにしないといった理由から午前中が好ましいとされています。
住宅地に霊園やお寺が隣接している場合、夜にお墓参りへ行くことは近隣住民に迷惑をかける可能性があります。
夜は話し声や墓石を掃除する音が響きやすく、トラブルの原因になる場合も。
できるだけ、夜のお墓参りは避けるよう心掛けてください。
お彼岸に持っていくものは?
一般的にお彼岸に持っていくものをまとめてみました。
持ち物 | 用途 |
数珠 | 共有しないで個々に持つ |
線香 | 1束から2束を結束したまま持参する |
ろうそく | 最低2本の新しいものを用意する |
ライターやマッチ | ろうそくに火をつけるため |
供花 | 同じ花束を2つ、対になるように用意する |
供物 | お供えするお菓子や飲み物を用意する |
ブラシやタワシ | 墓石を掃除するため |
剪定ばさみ | 供花の長さ調節するため |
ごみ袋 | ゴミや切った枝葉を持って帰るため |
中には葬儀に参列した経験がなく、数珠を持っていない方もいるかもしれません。
数珠は葬儀だけでなく、お盆やお彼岸、法要後のお墓参りなどでも使われます。
お墓参りに行くタイミングで、数珠を購入することをおすすめします。
お墓に供えたお線香は、最後まで燃え尽きるのを見届けてから片付けるのが一般的です。
線香が最後まで燃え尽きたら、お供えものとろうそくなどを持ち帰るのがマナーです。
お彼岸のお墓参りのマナーとは
お彼岸でお墓参りに行くときに、正式なスーツが必要なのか、それとも普段着で問題ないのか、迷う人も多いことでしょう。
まずはお墓参りの際の適切な服装やジュエリーマナーについて、解説していきます。
普段着でも大丈夫
お墓参りに行くときは、葬儀で着るような黒いスーツやワンピースを必ず着る必要はありません。
お彼岸のシーズンは、暑いことが多いため、半袖などを選ぶ方もいます。
ただし、キャミソールやミニスカートといった、肌を多く露出するような服装は避けるべきでしょう。
アクセサリーは避けること
お墓参りは遊びやおしゃれを楽しむ場ではなく、亡くなった人をしのぶことが主な目的ですので、アクセサリーは避けたほうが無難です。
墓地に入る前には、身につけているアクセサリーをすべて外し、バッグにしまっておくよう心掛けてください。
シンプルな服装と慎ましやかな態度で、故人への敬意を示しましょう。
お彼岸と法要が重なった場合は、パールのみ身につけても構わないとされています。
毛皮やレザーを使用した服装は避ける
お墓参りは故人を思いやる特別な時間です。
殺生をイメージさせる毛皮やレザーといった服装は、その場にそぐわない可能性があります。
アニマル柄の服装やジュエリーも避けたほうが無難です。
バッグを選ぶ際にも、無難なハンドバッグ型がおすすめです。
黒いバッグを持っていない場合は、飾りや刺繍が目立つようなバッグを避けて、濃いグレーや濃紺のものを選んでください。
お盆とお彼岸の違いって何?
お墓参りと聞くと、多くの人が「お盆」をイメージするかもしれません。
お彼岸は、彼岸(あの世)と此岸(こちらの世)の距離が最も近づく時期とされていて、一般的に中日の前後にお墓参りを行います。
一方でお盆は、亡くなった人々やご先祖様の霊が家に戻ってくる日とされていて、祖先の魂を自宅に迎えることが主な目的です。
家を目立たせるために提灯や、精霊馬を象徴するためにキュウリとナスに割り箸を刺して飾る方も多いのではないでしょうか。
お彼岸とお盆は、それぞれ別の意味があることを覚えておきましょう。
最後に
お彼岸は、故人をしのび、感謝の気持ちを込めてお墓参りや供養を行うことが慣習とされています。
今回、紹介したポイントを覚えておけば、恥じることなくお彼岸を迎えられるはずです。
葬儀にマナーがあるように、お彼岸にも意味が込められています。
マナーを守ってお彼岸にお参りをしましょう。