アレキサンドライトは、光の加減によって色が変わる珍しい宝石です。
昼の太陽光では緑色に、夜の光では赤紫色に変わるとされていて、希少性の高さから「宝石の王様」とも呼ばれています。
中でも猫の目のように光る「シャトヤンシー効果」がある宝石は、神秘的で魅力的なジュエリーとして注目されています。
今回は、アレキサンドライトの歴史や名前の由来、希少性について紹介していきます。
アレキサンドライトとは
アレキサンドライトは「クリソベリル」と呼ばれる鉱物の一種です。
クリソベリルに分類されるものは4種類あります。
クリソベリル
クリソベリルキャッツアイ
アレキサンドライト
アレキサンドキャッツアイ
この中で変色効果があるものを「アレキサンド」と呼びます。
アレキサンドは、内容物がなく透明度がないものが一般的です。キャッツアイ効果を持つ
アレキサンドライトは希少価値が高く高値で取引されています。
硬度は8.5と高く割れにくい性質です。日光や外気温の影響を受けにくいため、普段使いのジュエリーとして楽しめる点が魅力の1つです。
名前の由来
ロシアのエメラルド鉱山で発見され、ロシア帝国のニコライ1世に献上されました。献上された日がニコライ1世の息子(アレキサンダー2世)の誕生日であったことから、アレキサンドライトと命名されたと言われています。
産地特性
主にロシア、ブラジル、スリランカ、タンザニア、ジンバブエ、ミャンマー、インドなどで産出されます。色の変化があるものは非常に少なく、5カラット以上は希少価値があり高値で取引されています。
さらに希少な「アレキサンドライトキャッツアイ」
アレキサンドライトの中でもさらに希少価値のある「アレキサンドライトキャッツアイ」
縦に光のようなラインが入り、猫の目のように見える「シャトヤンシー効果」が特徴です。
キャッツアイ効果がある宝石は、丸く研磨するとより奇麗に現れます。研磨の際に、端から端までくっきりとキャッツアイ効果があり、透明度があって瞬時に変色するものは、珍しいとされています。
アレキサンドが持つ変色効果とは
最も大きな特徴は、鉱物にあたる光で色が変わる「変色効果」にあります。
変色効果とは、太陽光、蛍光灯、白熱灯に当てたときに、色が違って見える性質のこと。
アレキサンドライトは、太陽光や蛍光灯の光に照らされると、青緑色に光ることから「昼のエメラルド」と呼ばれています。ロウソクや白熱灯の光に当てると、赤や紫色に輝くことから「夜のルビー」と名称が変わるのです。
つまりアレキサンドライトは「太陽光が持つ色素」と「白熱灯が持つ色要素」の両方に反応する特殊な性質が備わっていて、二面性があるジュエリーなのです。
色が変わるということから、人生における分岐点や変化のときに、身に着けている人の背中を押してくれるという意味があります。
これから大きな選択をするときや環境が変わるときにおすすめのジュエリーといえるでしょう。
アレキサンドの石言葉
アレキサンドライトには、「秘めた思い、情熱、誕生、高貴」といった意味が込められています。自分らしさを貫きたい人や、自分の時間を大切にしたい人に力を与えてくれる石。周囲に流されずに自分の道へ突き進みたい人におすすめの石と言えるでしょう。
またストレスや疲れをいやす効果があるとされ、気持ちが穏やかになる作用もあります。前向きになりたい人や、リラックスを求める人は、お守り代わりとして身につけるといいでしょう。
アレキサンドライトをおすすめする人
アレキサンドライトをおすすめする人は、6月生まれや、結婚45周年を迎える夫婦です。
6月の誕生石
2021年12月にジュエラーズ・オブ・アメリカが、6月の誕生石として新たに追加しました。
アレキサンドライトが持つ変色効果により、二面性があるとされ「ふたご座の星座石」とも呼ばれています。ふたご座は5〜6月の星座のため、アレキサンドライトが選ばれた理由もうなずけますよね。
3結婚45周年の贈り物に
アレキサンドライトは、独特の色合いから「金緑石」とも呼ばれています。
日本では結婚45周年を迎える「金緑婚式」にアレキサンドライトを贈る風習があります。
長い年月をともに過ごし、大切な人とともに歩んできた夫婦生活には、出会った頃とは違った一面が見えてくるものです。アレキサンドライトのカラーが、夫婦の一面を表現しているのかもしれませんね。
アレキサンドライトのお手入れ方法
普段のお手入れ方法は、柔らかい布で優しく表面の汚れを取り除くだけで構いません。
汚れが目立つ場合は、中性洗剤を薄めた液体を作り、柔らかい歯ブラシで汚れを丁寧に落としてください。洗い終えたらしっかりとふき取り、水分を残さないようにしましょう。
ごくまれにフラクチャー処理されている場合があります。この場合は中性洗剤で薄めた液体のみで、洗い流すようにお手入れしてください。
最後に
アレキサンドライトは光の加減によって色が変わる不思議な宝石で、これからの人生の変化に背中を押してくれるという意味があるようです。
とくにキャッツアイ効果があるものは、神秘的で魅力があるため注目されています。
6月の誕生石のほかに、結婚45周年の贈り物としても人気があるジュエリーです。
自分を貫きたい人にぴったりな宝石ですので、お守りとして身につけると良いでしょう。
硬度が高く割れにくいジュエリーのため、普段使いでも十分に活用できます。
この機会に、アイテムのひとつに加えてみてくださいね。