スピネルは、一見するとルビーとよく似ていますが、実はまったく異なる宝石です。
鮮やかな色合いと極めて高い硬度から、ジュエリーとして人気が高まっています。
しかし、市場にはあまり出回っておらず、その美しさを目にする機会はなかなかありません。
中には「聞いたこともない」という人もいるかもしれませんね。
今回は、カラーバリエーションが豊富なスピネルの魅力や石言葉について解説していきます。
スピネルとは
スピネルは酸化鉱物の一種であり、和名では尖晶石(せんしょうせき)とも呼ばれています。
モース硬度は7.5〜8で、とても耐久性がある宝石です。
18世紀まではルビーやサファイアといった「コランダム」と混同されることもありました。
1783年にスピネルとルビーが別の鉱物であることが判明したものの、それ以前の時代にはスピネルがルビーとして扱われていたそうです。
古代の王冠などにはスピネルが使用され、現代においても歴史的な価値を持つものとして残っています。
日本では2021年12月に、スピネルが8月の誕生石として新たに追加されました。
スピネルの原産国
主要な産地は、ミャンマー、スリランカ、タンザニアです。
また、アフガニスタン、タイ、ロシアでもスピネルが産出されています。
多くのスピネルは、土砂などによって堆積した漂砂鉱床から採掘されています。
スピネルの人気のカラー
スピネルの価値は、カラーによって大きく左右される宝石です。
・レッド
・ピンク
・ブルー
・オレンジ
・コバルトブルー
・バイオレット
カラーの基準では、レッドスピネルが最も高く評価され、次にコバルトブルー、ホットピンク、そしてオレンジのスピネルが続きます。
紫系は需要が低いカラー
一方で、紫系のスピネルは、価値が低いとされています。
バイオレットや青味のパープル、赤味のあるパープル、ラベンダーカラーは、レッド系に比べると需要がかなり低くなっています。
ブラックスピネルは、レッドやブルー、ピンクのスピネルと比較すると比較的安価に入手できるでしょう。
ただし、近年ではブラックダイヤの人気が急上昇しているため、ブラックスピネルの価値は高まる可能性もあります。
スピネルのジュエリーの選び方
スピネルを選ぶときは、くすみのない鮮やかなカラーを選ぶと良いでしょう。
カラット数が大きくなるほど価格は高くなり、内包物が少なく透明感のあるほど価値は上がります。
極端に紫色や茶色といったカラーを避けて、彩度が高くすっきりとした色感があるスピネルがおすすめです。
スピネルの特徴
スピネルは等軸晶系に属していて、結晶形状は2つのピラミッドを背中合わせにしたような八面体をしています。
ルビーと同様に、スピネルも漂砂鉱床で発見されることがあります。
スピネルのモース硬度は7.5〜8で、優れた靭性を持つため、耐久性のある宝石です。
色合いはルビーやサファイアに似ているため、初めて見る人からはコランダムの一種と間違える人もいるようです。
特に有名な例としては、イギリス王室の第一公式王冠に飾られている「黒太子のルビー」があります。
現在ではスピネルと判明していますが、歴史を尊重して「黒太子のルビー」と呼ばれ続けています。
スピネルの名前の由来
ラテン語で「トゲ」を意味する「スピナ」や、鮮やかな赤い色合いから火花を意味するギリシャ語の「スピンタリス」などが考えられています。
スピネルの石言葉
スピネルは「内面の充実や安全」といった意味を持ち、自己実現をサポートすると言われています。
スピネルは、自己成長や自己肯定感を高めたいと考えている人におすすめするジュエリーです。
自己評価を高め、個性を輝かせる手助けをしてくれるでしょう。
不安や自信の問題を抱えているときに、穏やかさや安定感をもたらすと言われています。
新しいことへチャレンジしたい人や、夢や目標を達成したい人が身につけると効果が得られるでしょう。
スピネルは、自身の内面の充実や安全をサポートするとされており、ポジティブな変化をもたらしてくれる宝石なのです。
スピネルのお手入れ方法
スピネルのお手入れは簡単で、基本的に柔らかい布で拭く程度で構いません。
汚れが気になる場合は、、30度ぐらいのぬるま湯に、中性洗剤を数滴加え、よくかき混ぜてとかします。
ジュエリーをぬるま湯に約5分間ほどつけてください。
つけた後は、柔らかい絵筆やブラシを使って、ジュエリーの表面をやさしくなでるようにして汚れを取り除きます。力を入れすぎないように注意しましょう。
最後に、水道水でジュエリーを洗い流してください。
洗剤や汚れがしっかりと流れ落ちるように、水を使ってやさしくすすぎます。
洗い流したら、柔らかい布でジュエリーを拭き取ります。
水滴や洗剤の残りをしっかりと拭き取ることが大切です。
ただし、高温にさらすと色落ちや色むらの原因となることがあります。
料理や入浴など熱に触れる可能性が高い場面では、スピネルを外すことをおすすめします。
最後に
過去にはルビーやサファイアと間違えられたスピネル。
カラーバリエーションが豊富なため、季節や気分によって使い分けることも可能です。
身につけるだけで活力を与えてくれるジュエリーですので、お守りとしてもおすすめです。
スピネルが気になった人は、この機会にぜひ手にとってみてください。